カーボンオフセットを通じた途上国低炭素型発展支援の可能性:北九州市民の自動車利用に関するオフセット意向分析

ディスカッションペーパー

本調査では、市民が個人で行うカーボンオフセットを通じた環境国際協力の可能性を、特に自治体による補助金政策と組み合わせることで促進できないか、検討した。インターネットユーザーで、自家用車を利用する北九州市成人市民のうち、インターネット調査パネル登録者1642名を対象に調査分析を行った。カーボンオフセットについて、よく知っているとした回答者は11.2%、聞いたことはあるとした回答者が54.9%、知らないとした回答者が35.9%であった。実際にカーボンオフセットをしたことがある回答者は2.2%であった。
自己負担額及び北九州市による補助金有無について3通りのパターンを用意し、調査対象者を無作為に3群に分けて、オフセット利用の意思を調査した。自家用車利用に伴う二酸化炭素排出量1トンをオフセットするために、ベトナムでの温室効果ガス排出削減事業を用いてカーボンオフセットを利用する場合の、調査参加者が代表する母集団の平均支払い意思額は、1375円から3730円と推定された。
また、市の補助金によって個人の支払額が下がることによるカーボンオフセット実施率増大が確認された。一方で、補助金を出すことで、新しい環境国際協力の手法に対して市がお墨付きを与えているといった効果による実施率の増大はなかった。
さらに、回答者自身による日常の温暖化対策行動数が多いほど、途上国の貧困、環境等の問題に関心があるほど、そして市による環境国際協力を支持するほど、オフセットする傾向が見られた。途上国での温室効果ガス排出削減事業を通じたカーボンオフセットは、温暖化対策であると同時に途上国の環境問題解決の手段でもあると認知する市民によって、支持されていると考えられる。

著者:
Kato
Takaaki
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