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Working Paper
2020年9月22日に開かれた国連75周年総会の一般討論演説において、中国習近平国家主席は、「2030年より前に二酸化炭素の排出のピークを達成し(2030年ピーク目標)、2060年より前に炭素中立(ネットゼロ、2060年目標)を達成するように尽力」することを表明し、国内外からの大きな注目を集めた。   2060年目標を表明した背景 と今後の見通しについて検討すべく、本稿は、「1. 2020年がもつ戦略的タイミングの意義」、「2. 2060年目標設定の背景にある戦略的思考」、「3. 今後の見通し」、の3点について深堀する。
Working Paper
 本稿は、全国炭素排出量取引制度(以下、全国 ETS)の進捗状況について整理し、制度の特徴や既存地域炭素市場への影響等を分析し、今後の方向性を展望する。要点は以下の通りである。 全国 ETSの構築は2017年12月から開始し、2018年3月に中央省庁の再編により担当部署の変更及び2020年の新型コロナウイルス流行の影響も受けて、当初の計画より約1年遅れるが、概ね順調に進められている。 2020年末に全国ETSの法的基盤である「炭素排出割当量取引管理弁法(試行版)」が公布され、2021年2月1日から施行された。同時に、制度初期段階の対象とする発電部門の重点排出事業者及びその排出割当量の設定・配分方法が確定した。今後、発電部門の排出割当量の予備配分を行い...
Working Paper
中国にとっての2019年と2020年の前半は、世界経済の鈍化、米中貿易摩擦の長期化、コロナ問題の勃発など、山積の課題に対処しなければならない時期であった。米中貿易摩擦の影響もあり、中国の2019年のGDPは前年比6.1%の成長に止まった。 2020年1月-3月におけるGDP成長率は、昨年同時期に比べ6.8%下落するなかで開催した中国第十三期全国人民代表大会第3次会議では、内需拡大、雇用安定にフォーカスした政策パッケージを成立させた。  コロナ対策に関連する予算措置規模は、9.2兆元(約147.2兆円)と推計され、「新エネ自動車の普及とEV充電スタンドの拡充」や次世代通信設備や5G技術などへの重点的な投資方針も決まった。  2020年以降における中国経済のGDP成長率が不透明であるため...
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IGES Working Paper
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本稿では、2009年以降における中国排出量取引制度の発展について振り返り、今後の展開について整理したものであり、1.制度導入の背景および国内政策としての位置づけ、2.パイロットETSの現状、3.今後の展望、の3つ内容に分けられている。  1.制度導入の背景および国内政策としての位置づけ、においては、中国パイロットETSの始動から国家ETS導入までの歴史的政策文書を精査し、胡錦涛政権と習近平政権における政策論的位置づけについて整理した。  2.パイロットETSの現状、においては、(1)制度開始に向けたプロセス、法的根拠、(2)パイロットETSの基本情報、(3)対象業種、線引き基準、(4)割当方法論の概要(2省5市)(5)MRV の仕組み、の5つの内容を中心に...
Working Paper
Over the past five years, China has adopted increasingly ambitious reforms aimed at mitigating its greenhouse gases (GHGs). These reforms stand in sharp contrast to the view that China would struggle to craft a comprehensive climate policy due to conflicts with national interests and fragmented policymaking institutions. This paper argues that this...
Working Paper
国際開発学会第11回春季大会報告論文集
今後もアジアでの資源消費と廃棄物発生量の増大が予想される。3R(廃棄物の削減、再利用、リサイクル)を通じた廃棄物管理と資源管理戦略の統合は、アジアでの持続可能な消費と生産を達成するための重要なアプローチとなり得る。しかし、アジア発展途上国の多くでは、廃棄物管理・リサイクル関連法制度の構築に後れをとっており、国際協力への期待は大きい。本報告では、3R国家戦略の策定支援の経験に基づいて、廃棄物リサイクルのための制度構築支援の課題について論じる。