環境経済・政策学会 2017 年大会
2010年代に入って、現在の環境政策のベースとなっている効率性改善を重視するアプローチから、資源利用・エネルギー利用の総量抑制を意識した充足性アプローチを重視する動きが出てきている。2015年には持続可能な開発目標(SDGs)とパリ協定が採択され、いずれも無限の資源、環境容量を前提としない社会経済を目指すものである。本研究における充足性アプローチは、従来の効率性アプローチに対して、資源・環境制約を念頭にして、消費・ニーズのあり方の転換も視野に入れてエネルギー・資源消費総量を抑制するアプローチと定義する。従来、環境政策はその政策手法(規制的、経済的、自主的、情報的手法)により検討が行われてきたが、SCPが取り扱う領域が汚染対策や環境効率の改善から...