第2期戦略研究報告書 (2001年4月~2004年3月) 長期展望・政策統合プロジェクト

長期展望・政策統合プロジェクトは、第1期戦略研究における新発展パターンプロジェクトと環境ガバナンスプロジェクトが統合再編されることで、第2期から設置されたプロジェクトである。本プロジェクトは、IGESの他のプロジェクトと緊密な連携を保ちながら、アジア太平洋地域における持続可能な開発を実現するための方策について、長期的かつ横断的なアプローチによって研究し、効果的に政策提言を行っていくことが求められている。

以上のような役割を踏まえて、第2期において本プロジェクトは多様なプロジェクトを実施した。「アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)」を支援するための研究、「アジア地域の交通と環境に関するマニラ政策対話支援」、「“貿易と環境”調和のための日米タスク・フォース」などのプロジェクトは、持続可能な開発に関する国際的な議論に貢献するものであった。また、「アジア太平洋地域における持続可能な開発のための環境白書(仮称)」の作成、「エコ・アジア長期展望プロジェクト(LTPP)」のとりまとめ、「アジア太平洋環境イノベーション戦略プロジェクト(APEIS)」などのプロジェクトは、長期的な視点に立った分野横断的な政策分析を要するものであった。さらに、「情報技術革命(IT)と環境に関する研究」、「淡水資源管理プロジェクト開始のための調査内容の検討」、「北東アジア地域におけるアジェンダ21の実施状況に関する包括的評価」、「北東アジア地域おける持続可能な開発に関する優先課題文書作成」などは、本地域の環境政策に関する緊急のニーズに即応するものであった。また、本プロジェクト内のサブプロジェクトとして活動していた淡水資源管理プロジェクトは、2003年11月より、IGESの新たなプロジェクトとして発足した。

これらの研究を進める過程で、アジア開発銀行(ADB)、国連環境計画(UNEP)、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)などの国際機関、地域内の研究機関との共同作業を積極的に行った。またAPFEDプロセスを通じて、「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」などに向けて、タイムリーな論点整理や政策提言も行った。

APFEDやRISPOなどの政策提言に大きな影響を与えることが期待されるプロジェクトの実施を通じて、本プロジェクトに求められている機能に関する能力の形成が図られた。特に、国内外の研究者や政策決定者などとの間に人的なつながりを構築できたことは、今後の本プロジェクト及びIGES全体の活動を発展させていく上で大きな基盤となるものである。

また、このような大きな成果がある一方、本プロジェクトの業務が、環境省や国際機関などからの委託業務の占める割合が多く、またIGES内の他のプロジェクトとの連携を必要とする業務もあることから、それらとの十分な調整による効率的なプロジェクト運営が大きな課題であった。

第2期における多様なプロジェクトの実施を通じて、本プロジェクトの研究体制の充実、国際社会での経験の蓄積、研究員及びプロジェクトチーム全体の能力向上などが図られてきた。一方、持続可能な発展という概念が環境保全、社会的公正、経済発展といった要素を同時に包含するものであることから、その政策研究においては、分野横断的な視点による分析と、それらを踏まえた統合化・戦略化が必要である。この点からは、第2期はこのような政策研究に関する理解を深める過程でもあった。

これらのことを踏まえつつ、第3期では本プロジェクトの機能を、分野横断的なアプローチによる政策研究、研究成果に基づく持続可能な開発戦略及び政策の構築、国際的な政策対話や交流の場での戦略の提案、とした活動を展開するとともに、その実施においては、IGES内のプロジェクト間や外部機関との連携によるシナジー効果をもたらすような存在であることを目指して努力してまいりたい。

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