製品サービスシステム(PSS)とは何か: PSS研究及び関連政策に関する考察

KRC-2006-No.1
Discussion Paper
製品サービスシステム(PSS)とは何か: PSS研究及び関連政策に関する考察

持続可能な社会を築くためには、産業構造を転換し、地球の資源を減少させないようにすることが課題となっている。このような中で「モノを売らずにサービスを売る」というビジネスモデルは、産業と環境が両立する方策として期待されてきた。「製品サービスシステム(Product-Service Systems: PSS)」や「サービサイジング」等と呼ばれるこのアイデアは、欧米や国際機関で研究され、日本にもおいても研究されつつある。

 しかし、PSSのアイデアは、未だ有効に政策展開されていない。その大きな原因は、PSSのコンセプトが未発達なところにある。コンセプトが不十分なままにして、研究者は科学的分析に取り組み、政策担当者は新規政策として活用しようとしているため、関係者の間では混乱が生じている。政策展開するためには、PSSの社会経済システムにおける位置づけを明確にする必要がある。

 本ペーパーは、日米欧においてこれまで実施されてきたPSS研究と、関連政策の動向を概観し、研究と政策がこれまでどのような経緯を経て、今どのような状況にあるのかを整理する。PSSの特徴は生産者と消費者の関係におけるイノベーションにあるのだが、研究は環境負荷の計測に行き詰っており、政策は生産者を対象としたものにとどまりがちである。このような状況から抜け出すためには、PSSは何か、PSSの社会経済システムにおける位置づけを明確にしていく必要がある。PSSには、エコエフィシエンシー(環境効率)を追求する要素と、サフィシエンシー(充足性)を創出する要素があり、重要な役割が期待される。今後は研究面ではPSSコンセプトの検討を深めるとともに、政策面では環境配慮型製品政策の体系整備を図る必要がある。

Remarks:

English version available at:
http://pub.iges.or.jp/modules/envirolib/view.php?docid=469

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