第2期戦略研究報告書 (2001年4月~2004年3月) 環境教育プロジェクト

Business Report

環境教育には、環境意識を高めるための適切な教材がまだ無いなどといった多くの問題がある。これら多くの問題は環境破壊の現状や実態と関連がある。こういった問題を扱うためにも、持続可能な開発のエッセンスを教育の方針の中に含め、新しい概念、つまり持続可能性のための教育(ESD)というものへと環境教育を進化させていく必要がある。活動をより実践的なものとしていくためにも、環境教育プロジェクトではその目的を環境の情報、知識、理解、好ましい事例をアジア太平洋地域に普及していく適切な方策を明らかにすることとした。

環境教育プロジェクトでは、その目的を以下のとおりとした。
● 環境の持続的管理に向けた適切な教育教材の開発
● アジア太平洋地域が直面している主要な問題に対処するための人材養成の開発
● コミュニティーを対象としたエコツーリズム教育の革新的モデルの開発

本プロジェクトでは、PRAの技法を用いたアクションリサーチ(問題点の発見、計画、実施、改善)を研究の手法として採用した。PRAには、文献調査、フィールド調査、ワークショップ、委託調査、トレーニング、そして問題解決法などの手法が含まれる。これらの手法の中から、問題毎に異なる方法が選ばれる。重要な留意点は、すべての段階で、関係者の活発で積極的な関与と参加を求めるということである。

研究成果:
第二期には、合計9つの成果を出版することができた。これらの成果は、コミュニティーの多様な対象者に向けて文書化したシンプルな教育教材から、ESDについてその理解を図るために開催した会議の報告書などといったものを含む。また、NGOのスタッフに対する研修事業も開催し、コミュニティーを対象としたエコツーリズム教育のモデル作成を行い、戦略研究も実施した。少ない人的資源にもかかわらず、本プロジェクトは計画で掲げた目標を達成することに成功した。

環境教育プロジェクトの成果は、ESD-J、IUCN/CEC、RamsarCEPA、TEENやJEEFといったフォーラムを通じて、政策策定過程に影響を与えることができた。ESDに関する一連のワークショップの開催によって、アジア太平洋地域でESDの輪郭を明瞭にすることができた。インドネシアにおける環境NGOのネットワークの立ち上げ、Kampung PENDINGというインドネシアの教育センターの設立は、環境教育プロジェクトがJICAとともに第1期から第2期にかけて実施してきたインドネシアの NGOスタッフに対する研修事業がもたらした成功事例である。またいくつかの出版物や教育教材についても、プロジェクトの活動を自己評価する際には、プロジェクトの功績として取り上げられるべきである。

アクションリサーチとPRAを手法として活用したことによって、環境意識を高めたり、知識や理解を広め、アジア太平洋地域の成功事例を普及させたりする過程において、関係者の参加と協力を得ることに成功した。環境教育の活動は、国連による持続可能な開発のための教育の10年(2005年~2014年)のスキームが開始されることにより、さらに拡大している。環境教育プロジェクトは、アジア太平洋地域においてこのESDに関するいくつかのブレインストーミングセッションを開催し、ESDというアイデアを促進振興することに成功している。そのため、これまで既にESDを先導する機関としてIGESが認識されるようになっている。環境教育プロジェクトがESDの輪郭を明らかにする努力を行ってきたことの確たる証拠は、我々がESDに関する3冊の報告書を出版したことで明らかである。IGESが組織として将来的に環境教育を促進していくべきであるということを考えた場合、ESDに関する活動を進めることが最も適している。

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