第1回 極東ロシア森林保全戦略セミナー報告書

Conference Proceeding
第1回 極東ロシア森林保全戦略セミナー報告書

セミナーでは、地球の友ジャパンの招きで来日した極東ロシアからのゲスト2 名と国内専門家5 名により、極東ロシアの森林保全の現状と課題について、現地および地域の二つのレベルから報告が行われた。
 現地レベルの報告では、冒頭にアルカディ・カザ氏(ロシア沿海地方先住民族ウデヘ族猟師)とアンドレイ・ザハレンコフ氏(極東ロシア非木材林産物利用協会)が、ソビエト崩壊後の混乱の中で窮地にある地域住民の実状と生き残りをかけた各種の取り組みを紹介し、日本からの支援を訴えた。
 加えて、佐々木史朗氏(国立民族博物館)と田口洋美氏(狩猟文化研究所)が、豊かな森林が育む生物多様性を基盤とした先住民族の狩猟活動について歴史的・文化的な視点を交えて紹介し、持続的森林利用の課題を示した。
 地域レベルの報告では、まず、柿沢宏昭氏(北海道大学農学部)が最近の森林政策と林産業の動向を概観し、続いて山根正伸氏(地球環境戦略研究機関)が森林開発や森林火災による森林の消失・劣化の根本的要因に触れ、最後に野口栄一郎氏(地球の友ジャパン)が生態系保護区の指定・拡大に向けた活動を紹介した。以上の報告では、極東ロシアの森林資源が急速に失われている現状、包括的な森林保全戦略の緊急性が共通して示された。
 報告に続く総合討議では、当地域の森林保全の課題と方向性を具体的に明らかした上で実行可能な保全戦略を構築する必要性と、関係者の緊密な連携の重要性が確認された。

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