気候変動問題対応 日本国内政策措置ポートフォリオ提案:日本企業が温暖化ビジネスで勝ち組になれるための戦略的制度設計

Policy Report

2001 年11 月,国際社会はマラケシュ会議(COP 7) において,京都レジームのルール策定に成功しました.これは国際制度はルール策定ステージから新たに実施ステージに移行したということにほかなりません.これに呼応する形で,2002 年6 月4 日,日本政府はついに京都議定書締結(批准) のための公式文書(受諾書) を,国連事務総長に寄託しました.7 月15 日時点で,議定書署名(調印) 国は111 か国,そのうち批准国は75 か国(Annex I: 23 か国,非Annex I: 52 か国),Annex I 国の1990 年CO2 排出量比で6.0%がすでに批准を行っている状況です.

翻って日本の国内対策を振り返ってみますと,新地球温暖化対策推進大綱は発表されたものの,現状では明確なインセンティブスキームは導入されず,将来の導入に関しても何のアナウンスもされていません.新大綱によると,2004 年の政策レビュー後,2005 年からセカンドフェーズに入るということですが,政策議論は,断片的なものにとどまっているのが現状でしょう.

日本は,特に産業部門におけるエネルギー効率化技術水準そして技術開発力は,世界最高水準にあるといえます.言い換えると,今後百年にわたってますます強化されて行くであろう温暖化制約という_ビジネス環境の下で,「勝ち組」になっていけるポテンシャルを持っているということです.温暖化問題の観点からみても,日本企業が技術面を中心として,このビジネスの世界をリードしていくことは,この問題に対する人類社会の長期的対応という面からも非常に大きな意味を持つでしょう.

ただ,そのポテンシャルを活かすためには,(被害者としてでなく) 企業の明確なビジネス機会を狙う意志,および明確なビジョンに基づいたそれをバックアップできる社会経済制度が必要となります.

このレポートでは,「そのための制度的対応として,どのようなものが望ましいのであろうか?」という点に焦点を当て,各種政策手法の長所を活かしたポートフォリオすなわち有機的パッケージとしての政策措置提案を行うことを目的としています.

ここでは,単に京都議定書を遵守するにとどまらず,産業論的な視点を重視しています.言うまでもなく,日本のGHGs 排出削減の限界コストはかなり高いという現実を踏まえ,この提案では(政策のフィージビリティーには十分に留意しつつも) かなり大胆な制度提案まで踏み込んでいます.

Remarks:

English Version: http://pub.iges.or.jp/modules/envirolib/view.php?docid=2488

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