持続可能な開発目標(SDGs)と実施のためのマルチレベル・ガバナンス

In サステイナビリティ研究
Volume (Issue): 第9号
Peer-reviewed Article

持続可能な開発目標(SDGs)は、着実に社会に浸透しているが、本当に世界で目指すべき目標なのだろうか。また、多様な主体が関与する SDGs に対し、いかにして実施を効果的に進めていけばよいのだろうか。これらの疑問に答えるため、本稿では、第一に、SDGs の意義を検討し、第二に、主に日本を対象に、SDGs を実施していくにあたってのマルチレベル・ガバナンスのあり方を考察した。SDGs の意義としては、①持続可能な開発を阻む様々な問題について、達成期限のある具体的な目標を包括的に定めたこと、②統合的な解決が求められるようになったこと、③変革を促しやすくなったこと、④持続可能な開発を世界の主要議題に押し上げたこと、の 4 点を導き出した。マルチレベル・ガバナンスは、垂直的調整、水平的調整、ステークホルダーの関与の 3 要素がある。SDGs の実施とフォローアップ・レビューにおいては、日本との関連では、マルチレベル・ガバナンスの 3 要素すべてにおいて改善の余地があることが明らかとなった。特に日本としては、将来あるべき日本の姿をしっかりと描き、そこからバックキャスティングで進むべき道筋を特定する戦略が不可欠であること、その検討の際には、マルチステークホルダーが十分に関与するプロセスを踏むべきことを指摘した。

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