平成29年度アジアの低炭素社会実現のための企業・研究・自治体プラットフォームの調査・形成・運営委託業務報告書

Commissioned Report

パリ協定に掲げる今世紀後半に脱炭素社会(温室効果ガス排出量が正味ゼロの状態)を実現させるためには、経済成長が著しいアジアにおいて、持続可能な低炭素社会の構築に向けた動きを加速させることが必要である。近年、経済成長著しいアジアの都市では、急激な都市化により、資源やエネルギー消費量が増大し、交通量増加に伴う交通渋滞が頻発しており、生活や経済活動に伴う廃棄物、排水、排ガス、温室効果ガス(GHG)等の排出量が増加するなど、住民の生活環境の悪化を招いている。これらの都市の経済成長を維持しながら快適な生活環境を守っていくには、効率的な資源循環や省エネ施策を推進し、環境負荷を最小限に留める持続可能な都市形成にシフトしていかなければならない。
我が国は、開発途上国においてこのような取組を支援すべく、GHG 排出量削減を促進する二国間クレジット制度(JCM: Joint Crediting Mechanism)を推進しており、既に17か国(平成30年1 月末現在)とJCM を実施している。また、環境省は、平成25 年度から、日本と海外の自治体の都市間連携を推進して低炭素社会の実現を目指す取組を実施しており、低炭素プロジェクトの案件形成調査や事業化支援、政策支援等を実施しているところである。これらを拡大し、効率的かつ効果的に横展開していくためには、政府や自治体、民間企業、研究機関等の関係者間で経験・優良事例や課題を共有し、各関係主体間の連携を深めると共に、対外的にその情報を発信していくことが重要である。
そのため環境省は平成25 年度から、企業・自治体・研究プラットフォームの整備を通じ、アジアにおける低炭素社会実現のための調査および基盤構築を実施してきた。これまでに、国内民間企業および自治体への情報提供サイト「アジア低炭素発展に向けた企業連携・自治体連携プラットフォーム(http://lowcarbon-asia.org/portal.html)」を更新し、都市間連携ガイドブックを作成する等、対外的な情報発信を充実させてきた。更に、JCM および都市間連携をテーマとしたワークショップやセミナーを開催し、関係主体間の連携を深め、その活動を広く周知してきた。
今年度においても、都市間連携の更なる形成の基盤となる実態調査やガイドブックの更新、およびパンフレットの作成を実施し、対外的な情報発信を継続して行った。また、低炭素都市実現のための都市間連携事業に関するセミナーやワークショップを開催し、本事業の下で行われている都市間連携事業の進捗状況や成功例、課題等を対外的に発信すると共に、関係主体間の連携強化を推進した。さらに、本年度は当該事業が始まって5年目の節目を迎えたことから、『低炭素都市プロファイル』と題し、国内外の自治体における温暖化対策や低炭素なまちづくりの取組についてまとめた小冊子を作成した。

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